母は強し、されど腰は弱し

 息子が小学校2年の時だったと思う。親子の親睦会がクラス単位で催されたことがあった。
 粉の中のあめ玉を口で探る競技は、なにしろ粉の中に顔をつっこむ訳であるから、白塗りのお化けのようになった。
 大豆を塗り箸ではさむ競技もあったが、息子はなかなか器用につまんでいたと思う。

 その中に大縄跳びがあった。皆で歌いながら親が回す縄の中に入るのであるが、当然ジャンプの出来ない息子は参加出来るはずもない。うらやましそうに見ている息子の顔を見て、私はハタと思い付いた。

 背負って跳んでやれば、雰囲気だけでも味わうことが出来るだろう。

 そして私は挑戦したのだ。私の背中で息子は「キャッキャッ」と言って喜んでいた。私もその時はグッドアイデアだと思ったが…。

 後がいけなかった。腰を痛めて医者通いとなってしまったのだ。歩くのがやっとという状態になってしまい、腰ベルトのお世話になった。そして医者には「いくら軽いとはいえ、背負って縄跳びとは無茶ですよ」と言われた。
 私の腰痛との長い付き合いのルーツは、まさにここにあった。
(2006.1.22)

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