難航する靴選び 〜着脱編〜

 履いていく靴を選ぶ時、ふつう考慮しなければならないのは、行き先にふさわしいかどうか(TPOや目的)と服と合っているかどうか(ファッションやおしゃれ)だと思います。私にはさらに、靴を脱ぐ可能性があるかどうかを考慮に入れる必要があります。
 靴を脱ぐことがわかっている場合、考えなければならないのは主に
 1.着脱しやすい靴かどうか
 2.着脱しやすい環境かどうか
の2つ。私の場合はこれに
 3.くつ下が破けないかどうか
が加わります。

1.着脱しやすい靴かどうか
 私が最も苦手とする靴は、ベルトをスナップで留めるタイプです。男性にはあまり馴染みがないかもしれませんが、サンダルやパンプスに多く見られ、ちょうどくるぶしの下の少しへこんだ辺りにスナップがきます。このスナップがなかなか厄介なのです。まず、どんなに力を入れて押してもなかなか留まらない。(へこんでいるから余計でしょうか?)外す時もなかなか外れない。位置的にも力の入りづらい場所です。歩いている時に外れては大変ですから、スナップ自体が固めに作られているのだと思います。しかしこのスナップタイプの靴、ちょっとデザインの可愛い靴を選ぼうとすると必ずと言っていいほど付いてくるので困りもの。最近は工夫されたものも出てきていますが、購入する時に泣く泣く候補から外すことも多いです。ちなみに、スナップではなくいわゆるベルト(ピンを穴に通す)で留めることもできるのですが、もっと力がいるのでかえって大変です。
 スニーカーやブーツなどで靴ひもタイプの場合は、それほど苦労することはありません。しゃがんで結ぶことはできませんが(一度しゃがんだら立てなくなってしまうので)、深くお辞儀をするような格好で結ぶことができます。多少不自然な格好ではありますが。

2.着脱しやすい環境かどうか
 以前、家庭教師を何件かしていたのですが、そのお宅の玄関によっても選べる靴が違いました。玄関から座敷への段差が高いと、上るのも大変ですが、脱いだ靴をそろえることができにくくなります。しゃがんでしまうと立てなくなってしまうので(先ほども書きましたね)、立位体前屈状態で手を伸ばして揃えることになるからです。私の柔軟性にも限度があるので、手が届きやすいようになるべく靴丈のあるもの(ブーツ型)を選ぶようにしていました。
 これはなにも個人のお宅へ伺う場合だけでなく、お座敷タイプのお店へ入る時などもそうです。下駄箱にしまうため、脱いだ靴をとろうとするのですが、手が届きません。しゃがんでとってもよいのですが、手に靴を持っていたら絶対に立てません。ピンチ!人知れず苦労しています。

3.くつ下が破けないかどうか
 中高時代靴ズレに泣いた話をしましたが、傷つくのは足だけではありません。当然くつ下もあっという間に破けてしまうのです。くつ下も学校指定の校章入りのものだったので、その分お値段が高めでした。これに泣いたのはお財布のほう。結局、市販の無地のくつ下をまとめ買いして、切り取っておいた校章部分をアップリケのように縫い付けるという作戦に出ました。友人に気付かれて恥ずかしいこともありましたが、いつも繕ってくれた祖母に感謝です。
 高校卒業後は、親指の先にすぐ穴が開いてしまうことに悩まされています。靴との相性もあるでしょうが、やっと条件に合った靴を手に入れたと思ったら、今度はくつ下の心配。なにしろ、買ったばかりのくつ下が、おろしたその日のうちにだめになるのです。これにはもうお手上げです。自分の足(指?)を恨むしかありません。「靴を脱いだとき親指が出ていたらどうしよう…」という不安が常につきまといます。

 というわけで、1.2.3.の状況を思い巡らせ、出かける時はびくびくしながら靴を選んでいます。
(2006.2.27)

 INDEX