塗料で転ぶ

 足首がきちんと曲がらないせいか(関節拘縮のため)、ミオパチーはわずかな段差につまづき、よく転びます。わずかな段差というのは1センチあるかないかの本当にわずかな段差のことで、車道から一段高くなった歩道へ車が上がる為の低めの段差程度のことではありません。そのぐらいの差があれば、きちんと意識するのでそうそう転ぶことはありません。問題はよほど気を張っていないと見過ごしてしまうような段差です。

 例えば、横断歩道のしましまや、「止まれ」の表示。そう、塗料で転ぶというのはこのことです。塗料で描かれた文字や線は当然道路より盛上がっています。これにつまづくのです。ミオパチーの場合、一度つまづくとふんばってこらえる力がないので、ほぼ100%転びます。転ぶとなかなか立てないので、転んだだけでも恥ずかしいのに、恥ずかしい時間がさらに続きます。あまりにのろのろとやっと立ち上がるので、通りすがりの人に重傷だと思われて、必要以上に心配されることもしばしば。

 もう一つ危険なのは、タイル調の排水性舗装道路です。でこぼこしているせいなのか、目地があるせいなのか、よく転んでいます。最近の道路はこれが多いため、ミオパチーの転ぶ確率が急上昇中のようです。

 小さい時は体は軽いし地面と膝の距離も近いので、転んでもすりむいて終わりという感じでしたが、大人になると体は重くなったし地面と膝の距離も遠くなったしで、すり傷よりも打撲がつらいです。これも宿命と思うしかありませんが、私はコンスタントに月一ペースで転んでいます。

 ちなみに弟はスーツを買うとき、まずダブルパンツをさがしています。
(2005.9.14)

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